『越前和紙』とは福井県(越前市)で生産されている和紙で、1500年もの歴史がある日本を代表する伝統工芸品です。
和紙のはじまりは約1400年前の西暦610年に朝鮮の僧が紙づくりの製法をもたらしたと日本書紀に記されています。
しかし、それより100年も前から福井県の越前では紙を漉いていたという説があり、それを「川上御前の伝説」といいます。※『川上御前の伝説』について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
また、越前和紙は和紙の中でも卓越した品質を誇ります。日本初の紙幣に使われたり、国宝・文化財の保存や復元にも使われており、その品質の高さが裏付けられています。
全国に数多くある和紙産地の中で、最も長い歴史と最高の品質を誇る和紙。それが越前和紙なのです。
Contents
越前和紙の特徴
歴史に裏付けられた最高の品質
越前和紙の特色として大きく分けて3つのポイントがあります。「薄くて丈夫」「水に強い」「数多くの製法による多種多様の和紙」
薄くて丈夫で水に強く、職人の技術により印刷に適した製法を用いて作られた越前和紙は1661年から藩札(現在でいう紙幣)に使われるようになりました。これが日本で最古の紙幣とされており、その後1951年までの間ずっと越前和紙が使われてきたのです。
さらにこの頃から「黒ずかし(今のお札にあるような透かしの技術)」があり偽造防止にも優れていたというから驚きです。現在の紙幣にも越前和紙の紙漉き技術と、透かし技術が取り入れられているそうです。
まさに藩札から始まる日本の紙幣の歴史と共に歩んできた越前和紙。
越前和紙は日本が誇る「紙の王様」なのです。
出典:http://www.washi.jp
出典:http://sirakawa.b.la9.jp
1661年 日本で最初の藩札が福井藩にて発行された。福井藩藩札用紙を五箇村で漉く。 1868年 政府で今までに発行された各藩の藩札を比較検討した結果、「五箇村の紙が一番良い」とされ、福井藩が全国通用の太政官金札(だじょうかんきんさつ)を発行することになった。 1923年 「川上御前」を紙祖として、大蔵省印刷局抄紙部王子工場及び、三島高野製紙場へ分祀(ぶんれい)する。 1932年 越前製紙工業組合を設立する。 1942年 14企業が終結して「岡太製紙施設組合」を組織し、「抄紙部(印刷局抄紙部越前工場)」が誕生。 1945年 「岡太製紙協同組合抄紙部」工場(印刷局抄紙部越前工場)で日本銀行券用紙を抄造する。 1947年 「岡太製紙施設組合」は、「岡太製紙工業協同組合」と改めた。同年、天皇陛下が「岡太製紙協同組合抄紙部」工場(印刷局抄紙部越前工場)で、紙幣用紙と越前和紙の抄造をご覧になる。 1949年 後半、紙幣用紙の抄造は、印刷局直轄工場へ移されることになった。 1950年 11月、日本銀行千円券用紙の契約は打ち切りとなった。 1951年 2月、日本銀行券用紙漉き立ての任務を終えた「抄造部」解散し、10年間にわたる「昭和のお札漉き立て」に終止符を打った。
人間国宝と称される職人技
越前の紙漉き職人が創り出す和紙の種類は多種多様にあります。
それは紙漉き職人が時代に合わせた数多くの製法を受け継ぎ、次の世代へ繋いできたからです。
時代に合った柔軟な適応力こそが越前和紙の強みであり、それらを創る職人の卓越した技術から、一部の職人は国指定重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)の認定を受けています。
人間国宝と呼ばれる職人たちが、1500年の歴史をもつ多種多様な製法を用いて漉いた最高品質の和紙。それが越前和紙の魅力の一つなのです。
※越前和紙の種類について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
伝統だけじゃない、常に新しい挑戦を
今まで紹介してきたように、1500年の歴史を誇る伝統を受け継いできた越前和紙。
しかし、現代の日本において伝統工芸品というのは常に衰退の危機に直面しています。もちろん越前和紙も例外ではありません。
そのため今もなお、越前和紙は新しい需要を求めて進化を続けているのです。
間接照明
時代に合わせた和の明かり。越前和紙を使用したLED証明です。
色温度の高いLEDの色合いと組合せる事で、和紙の魅力が引き立ち、幻想的な空間を作り出します。
ひとつ置くだけで和の趣を感じられる、癒しの リラックス空間へと演出可能です。シンプルな形状の為、和室に限らず洋室にもぴったりです。
名刺
出典:箔押し印刷 あさだ屋
フスマに使われる和紙の襖紙の貴重な耳付き部分のみを使った和紙名刺です。
名刺を交換するという事。それは“ 人と人の線をつなぐ” こと。
この耳のついた名刺の交換で人の事を聞く、そして私のことを聞いてもらうそして点と点が一つの線になる。
聴くミミがついた名刺で新しいご縁が人と人を繋ぐ1 つの赤い糸になるように…
アクセサリー
日本に古くからある遊具の手毬(てまり)をイメージした和紙ピアスです。
全長が 66mm と長いため、動くたびにゆらゆらとピアスが揺れて、可愛らしさを演出します。
カラーバリエーションは『緋色』『茜色』『瑠璃色』『真朱』『漆黒』の全部で5色の和柄をご用意。
和柄と越前和紙の相性は抜群です。浴衣や着物を着るときや、結婚式などにぜひご着用ください。
越前和紙の魅力を手に取って感じてみてください。
近年では中々和紙を使う機会もなくなってきました。現在日本で流通している紙のほとんどは洋紙が使われており、和紙が窮地に立たされているのは間違いありません。
ですが、越前和紙には洋紙にはない魅力が詰まっています。
最近では越前和紙を使った照明やインテリア、アクセサリーなども増えてきており、新しい越前和紙の可能性も見えてきました。
紙漉き職人が作り出す、全国の和紙の中でも最高の品質を誇る越前和紙。
ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。